FROZEN BUG'73

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緊急手術!車のヒーターが効かない!(手術編)

microwavable.hateblo.jp

上記の「説明編」で話した通り、先日買ってきた車のヒーターが効きません。これから北海道の冬を過ごすのに、ヒーター効かないのはちょっと無理があります。

いや…過去に、ビートルのヒーターが半分(助手席側)しか効かなかったことはありました。特に重大な支障をきたしたわけではありませんでした。走行中、隙間風でどんどん運転手が凍えていくこと以外は。ビートルはヒーターの構造上、ウインドウのデフロスターがめちゃくちゃ弱いので実質デフロスター無しで走っていました。乗り込むとウインドウの室内側に霜がおりてることがよくありましたが、走行前に漏斗型のスクレーパーでガシガシやると一発でクリアな視界が確保できて快適!なんだ、デフロスターも本当は無くてもなんとかなるんだ!って思ってました。

(こういうのをオートバックスで買って使ってました)

 

でもそれとこれとはちょっと話が違う。本来効くはずのものが効かないのは良くない。あと運転手が凍えるのも精神の安全上(?)良くない。直すぞ。

前回の説明の通り、エンジンのクーラント(冷却水)が室内に入ってきてヒーターコア(パネルヒーター的なものを通り抜けています。その経路となるホースを外し、ヒーターコア内部を洗浄します。ラジエーター 〜 エンジン側には手を加えることなく、ヒーターコアだけに洗浄液を通すわけです。

ポイントは
・エンジン側を切り離しつつ洗浄液を循環させるため、ポンプが要る
・内部の詰まりがある場合、入口側から液を入れても改善しない可能性があるので出口側から逆流させる
・カルキの塊(これ前回詳しく説明しませんでしたが、クーラントは水道水で薄めて使うことが多いので発生しがち)が付着している可能性があるので、それを溶かすのに適量のクエン酸を混ぜた温水を用意
クエン酸は酸なので金属を腐食させる可能性がある。なので、最後に真水ですすぎを忘れない。
・ヒーターコアの材質に注意。真鍮の場合はまだいいとして(それでも場合によってはピンホール空くなどのトドメをさしちゃうかも)、アルミだと酸に溶けるのでクエン酸攻撃は慎重に。

 

いざ実践。

カプチーノのエンジンルーム後ろ側。この奥にヒーターホースがあります。

さあそういうわけで早速エンジンルームを開けてみましょう。エンジン周辺から室内に繋がるゴムホースを見つけます。カプチーノの場合、ただでさえ後ろギリギリに配置されたエンジンの更に奥に手を入れないといけないので大変。

この…プラグコードの下に…

プラグコード3本が邪魔なので外します。イグニッションコイル(赤いのが刺さってるやつ)も外した方が楽です。プラスネジ2本で止まってますが、エンジン本体が邪魔なので長いドライバーが刺さりません。ここに刺さってるコードも外しちゃいましょう。
ディストリビューター(プラグコードが刺さってたところ)も邪魔なんですが、これ外すと後で面倒なことになるので我慢します。デスビキャップだけ外せると少し楽かなと思ったんですが、固定ネジを外そうにも絶対にドライバーが入らないような空間です。元々は六角レンチで回せるネジだったようなんですが、新品交換していたりするとプラスネジでしか回せないタイプのネジになっているらしいです。諦めます。

この下に、室内に繋がるホースが2本見えます。写真だと全然見えませんが、加工しまくったらなんとか見えました。

ドライバー当ててるのが室内に冷却水が入るホースのクリップ。その上、デスビの下に戻り側ホースのクリップ止めるネジだけが見えてます。

ホース止めてるクリップを外します。ちょっと複雑な構造のクリップだったのでネジ完全に外して取っちゃいました。作業終わったら普通のホースバンドを付けておきます。
で、このホースを力ずくで抜きます。ネットでは切り裂いて新品に交換した方が早いって書かれてたりしますが、カプチーノのヒーターコアに繋がるホースは廃盤、っていうネット情報もありましたので再利用を念頭に頑張って手で捻ってたら外れました。ヒーターコアが真鍮(やわらかい金属)なのであんまり力任せにしないように…と思ってましたが、真鍮といえども金属です。思いっきり掴んでホースねじねじしながら外します。

それよりも、カプチーノのヒーターホースは廃盤になっていません、おそらく。元々は部品番号 17871-80F00-000 と 17872-80F00-000 の2本でしたが、品番変更を経て 17871-80F01-000 と 17872-80F01-000 の2本に。海外のパーツリストサイトではここまでの情報しか出てこないんですが、どうやら更に品番変更されているようで、今は
17871-80F51-000 ホース,ヒータ,インレット
17872-80F51-000 ホース, ヒータ,アウトレット
になっているようです。この品番で検索するとAmazonでもモノタロウでも注文ができます。おそらくディーラーでも頼めると思います。カプチーノの情報を探るとよく出てくるWikiで、純正廃盤パーツとしてこのホースが挙げられているので…それをそのまま信じて購入や維持を諦める人が出ないように記述しておきます。(ディーラーに確認したわけじゃないので、とりあえずまだ新品出るっぽいよ、という程度の情報です)

さて2本のホースを外します。室内側からヒーターコアのパイプが露出するのが見えてきます。このとき外したホースは下向きにならないようにしてください。クーラントダダ漏れになります。(なりました。)

お風呂の水を洗濯に使うためのポンプを用意し、ヒーターコアのパイプ2本にホースを接続します。

車によってヒーターコアのパイプ径は異なるでしょうが、カプチーノは15mm弱でしたのでバスポンプ付属のホースがそのまま刺さりました。ただし水が漏れないようにホースバンドを別途購入し、締め上げておきます。

カプチーノの場合、向かって右側がイン側、左側がアウト側

写真ではついさっきうっかり垂れ流したクーラントがショッキングな色をしています。
バケツに温水を用意し、適量のクエン酸を溶かします(ここは任意、材質注意のところで述べたように、ヒーターコア自体にとどめを刺す可能性があるのでお湯だけでやった方がいいこともあるでしょう)。写真にはありませんが、更にIHクッキングヒーターと鍋を用意して、バケツを湯煎しながらやることにしました。そのままだと冷めてきちゃうので。

ヒーターのアウト側に繋いだホースにお風呂ポンプを接続します。イン側に繋いだホースはバケツにそのまま垂らします。これでポンプの電源をオンにすると、ヒーターコア内部を洗浄液が逆流してバケツに戻ってきます。最初はヒーターコア内に残ってるクーラントが出てくるので、それは最初に別途処理してからイン側ホースをバケツに戻して循環させてもいいですね。なんでかって、洗浄液の汚れ具合がわかりやすくなるので…それだけですけど。

これを水換えたりしながら1〜2時間回し続けます。10分くらいでこんな汚水になりました。こわっ。

濁りすぎてて見えませんが、中には内部から出てきた微細な、砂のようなものがたくさん溜まっています。サビですかね。水換えるたびに出てくるので、洗浄液を強力にするよりも長時間回し続けることに効果があるような感じがします。あと、水替えた時には最初に空気が混ざってゴボッとなるので、その時の勢いでサビが剥がれて出てくるような感じもある。

飽きてきたら…もとい、もういい頃合いかなと思ったら真水を循環させます。クエン酸が残らないように、源泉掛け流し状態ですすいでからがいいでしょうね。その後に15分ほど真水を回しました。正直、クエン酸洗浄を続ければまだ汚れは取れそうでしたが…これだけやってヒーターの効きが改善しなかったらショックなので、とりあえずここで終了。

 

真水での洗浄が終わったらお風呂ポンプの接続を外し、ヒーターホースを元通り繋ぎます。コア内部に真水が残っているのは気にしなくていいです。もともとクーラントは水で薄めて使うものなんだから。ここで、はじめにプラグコードとか外したのを元に戻すのを忘れない。エンジンが掛からなくて一瞬焦ることになります。(なりました。)

クーラント補充

エンジンをかけて、クーラントの補充・エア抜きを行います。サーモスタットが開くまで(水温が十分に上がるまで)待たないときちんと補充できないんで、そこでついでにヒーターの効きを確認できちゃいますね。

 

結果は……車内、暑っ!!

 

正直なところ、これがカプチーノのヒーターの「フルパワー」か?と問われれば、多分新品のヒーターコアに交換すればもうちょっと暖かいのかもね?(内部の詰まりも完全には取れていないだろうし、外側の詰まりもありそうだし)と思うくらいですが、2,000円のお風呂ポンプと数百円のクエン酸を用意しただけで直ったなら贅沢言わないもんですよ。長い冬もバッチリ乗り越えられる自信がつく、ちゃーんと温風(熱風?)が吹いてくるヒーターになりました。長年乗った車、中古車のヒーターの効きがいまいち…という場合、多少車いじりに自信がある人は試す価値あり!ヒーター洗浄!

本当に完全に中が詰まっちゃってる場合はダメかもですけどね。そうなったらコア交換、数万円コース…その前にやってみても、いいんじゃない?(コントロールレバーやスイッチ、オートエアコンなら電子回路系の不具合を先に確認してからね)